「物事に “分別をつける” 力を身に着けるんだよ」
【3限目:人に教わるということ 第2話】

~ 3限目 目次 ~

第1話:クラフトマンシップって何だ?  ☜クリック

第2話:物事に分別をつける力を身に着けるんだよ  (このページ)

第3話:自立する社員になることが、いずれ我が身を守る ☜クリック

第4話:人材育成の本当の目的とは ☜クリック

(↑偽物か本物かはみんな気づいとるよ
知らんのは、本人だけだ)

生徒のみんなへ、これはヒジョーに大事な事なんだ。

「分別をつけられる力」これを装備しなきゃダメだ。

これができないと、会社や人生で大きなトラブルを起こすことになるんだよ。

「分別」とは、何をしてよいのか・何をしてはいけないのか

の区分けをしようぜ。ってことだよ。(当たり前だよな)

ただ、自分の立場や集団の立場が窮地に追いやられると、なぜかこの「分別」がいとも簡単に捻じ曲げられるんだよ。

自分を守るため・集団を守るため・組織を守るためという「大義名分の名のもとに」捻じ曲げるわけだ。これは言い換えれば保身だ。

今の世の中、なんでもかんでもバカ正直にしなければならない。とは言わないが、「分別」に疎い人間は、こんな極論以前に日常で分別がついていないんだよ。

「分別」がつけられないために起こる大惨事として

①不祥事の不正・改ざん・隠ぺい(超有名自動車メーカー・食品メーカー・ホテル・テーマパークなど事例は多い、挙げればキリがない)

②パワハラやセクハラ・モラハラなどのハラスメントなどの職場におけるいじめや人権侵害

③仕事と私用の区別がつけられず自分勝手な行動をとる。

他にもあると思うが挙げればこういうことだよ。

 

この「分別をつける力」というのは2つの観点が大きく影響を与えるんだよ。

それは「道徳観」と「倫理観」の2つになる。

「道徳観」は「悪いことは しては いけないから しない」という考え方だ。

「倫理観」は「悪いことは したくないから しない」という考え方だ。

これは池田昌子さんという哲学者の人が言っていた言葉なんだよ。

もうお亡くなりになっているが・・

話を元に戻すが、生徒のみんなが仕事や人生を送っていると、この2つの観念が揺さぶられるときに遭遇するはずだよ。

その時に、「誰も見ていないから」「自分は知らないから」「みんながしているから」「注意されていないから」「言われてないから」「面倒だから」なんてことで、【分別】の就かない行動を取ったり、見て見ぬふりをしてしまうんだよ。

 

どちらも、自分に対する低い言い訳が成り立つと、平気でルールや規則を破り、不正や不都合な事実を黙認したりしてしまうんだよ。

しかし、【倫理観】が強ければ、「したくない気持ち」がタガになり、心が揺さぶられても食い止められることができるんだよ。

例えばだ、会社で口の悪い、態度の悪い上司ってのが一定数存在するよな。簡単に言うとパワハラ上司というやつだよ。このパワハラをする心理状態をプロファイルすると、

「してはいけないのに、している」=道徳観の欠如

「したくないのではなく、してもいい からする」=倫理観の欠如が考えられるんだよ。

これは、確信犯だ。刃物を町中で振り回アレと同じだ。刃物を権力と人の心を傷つける言葉に変えただけだ、こんなのは【倫理観】も【道徳観】もない、人の上に立つ資格なんてない。

 

会社で、リーダーや管理職になる人は、特にこの【倫理観】と【道徳観】を強く持っていないと、会社の民度を陥れることになるから要注意だ。裏返せば、会社のTOP以下幹部と呼ばれる人の【倫理観】【道徳観】で会社の民度が決まるといっても過言ではないってことだ。

規則を守らない部長が、みんなに規則を守れといったところで、ということだ。

「物事の分別がつく人」というのは、この【倫理観】【道徳観】をコントロールできる人のことを言うんだよ。そういう人が会社の上司であれば、その会社の人の働く環境が良い確率が高い(断言できないところが悩ましいがな~)

人材育成や人材教育、部下への指導など言う前に、自分の【物事に分別をつける力】を正しく身に着けることが最初の1歩だ。

(追記)

もし、生徒のみんなが、会社の不正を見つけてしまったら、仲のいい同僚がパワハラに遭っていたら、どうする?

これは、キレイごとだけじゃ生きていけないことも重々わかる分、判断に困るよな・・・

参考までに「心理カウンセラーにおける守秘義務を破る状況」というのをヒントに挙げておこう。

ちなみに心理カウンセラーはクライアントの情報は一切漏らしてはいけない、これが守秘義務というやつだ。しかし、犯罪に関わることと生命にかかわることが予見できる場合は、この守秘義務を破っても通報しなければならないということがある(これも判断に迷うことがあるし、実際アメリカではこれで裁判になるケースだってあるんだよ)

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