「人材育成と人材教育の本当の目的とは?」
【3限目:人に教わるということ 第4話】

~ 3限目 目次 ~

第1話:クラフトマンシップって何だ?  ☜クリック

第2話:物事に分別をつける力を身に着けるんだよ  ☜クリック

第3話:自立する社員になることが、いずれ我が身を守る ☜クリック

第4話:人材育成の本当の目的とは (このページ)

↑ 地図と同じだ、やみくもにしてもダメだ

(第4話:①)

人材教育や人材育成のそもそもの目的を理解していないと、全うな教育なんてできないんだよ。

学校で学ぶ勉強も会社で学ぶことも、目的の根っこは同じなんだよ。

この根っこにあるのは、少しでもみんなに知識や知恵をつけてもらい、生き抜く力をつけて欲しいことが本来の筋なんだよ。

 

社会人になると、自分でやらなきゃいけないことが多くなる。例えば、金銭面・恋愛面・就職面・仕事面・趣味面など多数だ、好きなことも嫌いなことも自分で管理しなきゃならなくなるんだよ。

 

その、最たるは、寿命まで生存し続ける力だ。若いうちは何とかなることも多いが、年を取るとそうはいかなくなることが多いんだよ。まぁ、選択肢が少なくなり、体も頭もついてこなくなるんだよな~(寿命はそれぞれ違うが、今の日本の平均寿命約85歳だってよ)

生存するためには、基礎になる知識が必要なんだ。その知識を「くっつけたり、分解したり、アレンジしたりして知恵(=アイデア)を作る訓練をしているんだよ。

こういう背景から、会社や学校は人材育成と人材教育をしているんだよ。

人材育成や人材教育の目的は「自立させる」ことだ

「自立する」ことで、生き抜く力を身に着けて、自分で ”適切な判断”(←ここ大事:判断は誰でもできるよ、ただし適切なという語句がポイントだ)を行える人になることが目的なんだよ。

例えばだ。生徒のみんなが親になった時に、「自分が先立っても、子供だけは1人で生き抜けるようにになって欲しい」と願うんじゃないか?

順番では、親が先に逝くからな。生徒のみんなの親御さんもそう思っているに違いない。

 

そのために、生き抜くための知恵と知識(学習・体力・人間関係・道徳心)を得る。

人は、このことを【教育】と呼んでいるんだよ。

↑ 初心も気づき力だ

(第4話:②)

「自立する」ことを因数分解すると、【基本力+気づき力】の公式になる。

【基本力】は初心ともいえるな、生徒のみんなもだんだんキャリアを積み重ねていくと、穢れ(けがれ)が知らず知らずの内に身に着いてしまうんだよ。穢れは、【過信・慢心・傲慢・惰性】だ。

よくある風景だ、新しく入ってきた人が、始めは丁寧にあいさつや名前を呼ぶときも「さん」付けが、いつの間にか、偉そうにしたり、呼び捨てにしたり、変わっていく様を。

当然、色々な状況を理解していくから、なじんでいくのは当然だよ、しかし、このなじみが悪いほうへ働くと、穢れを纏ってしまうんだよ。

この、穢れの最悪の形が、企業の不祥事という形で顕在化するんだよ。

有名企業の経営幹部のセクハラ疑惑・データの改ざん・パワハラ行為なんかがそうだ。

このようなことを行ってしまった人でも、入社1日目からこんな状態だったわけでは無いだろう。

初心を忘れ、気づかない心(=自分がすることは全て正しいと思い込む裸の王様状態だよ)が、日に日に穢れの互換された結果だろう。

これは、権力を得るたびに手放してしまうトレードオフ(=何かを得ると何かを手放す状態)ではない。勝手に権力を得るたびに傲慢になった結果だろう。

権力執着は依存症だ。人を自分の考え通りに動かせる、生殺与奪の権を手にすると、密の味がするんだろう。

でもよ、その力で地震を防ぐ、予知する、難病を無くせる、なんて人の役に立つことはないな。

だから、生徒のみんなは、人材育成の目的を理解し自立するんだよ。

自立すれば、人生にもしものことがあっても、生きていける力が身に着くよ。今のうちに訓練しておくんだ。それが【生存戦略】になるからな。

↑ 同じするなら役に立ちたいよな

(第4話:③)

生徒のみんなには、人は4つのパターン分けられることを知っておいて欲しいんだ。

ここでは、それを勉強しよう。

一つ目は【人材】と呼ばれる人たちだ。

→この属性の人は、「指示されたことはしっかり行い、結果も出す人」になる。この属性の人は既に確立されている物事は踏襲できる力があるんだよ。ただし、新しいことは失敗したくないので消極的になる傾向が高い。会社や集団では真ん中ぐらいのポジションをキープする心理が強いんだ。

 

二つ目は【人在】と呼ばれる人たちだ。

→この属性の人は、「そこに居るだけだが、最低限のことはする人」になる。この属性の人は多数派思考を好み、判断材料は ”良い・悪い” というよりも ”損か得” か ”多数か少数”かを先に考えてしまうんだ。基本失敗したくない、責任も取りたくないから判断や決断は人任せの傾向がある。会社や集団では最後尾は嫌だが先頭は絶対イヤという心理が強いんだ。

 

三つめは【人財】と呼ばれる人たちだ。

→この属性の人たちは、「自分から考えて行動して結果を出す人」になる。この属性の人は、失敗に対する恐怖心と不安心を理解しながら、責任も取る覚悟を持っているんだ(誰だって失敗はしたくないが、誰かがやらないと進まないことも世の中には多いんだよ)、さらにゼロから産み出す力(想像力)や先頭に立つ力(指揮力)を持っている。会社や集団ではリーダーや幹部になれる資質がある頼もしい人だ。

 

最後は【人罪】と呼ばれる人たちだ。

→この属性の人たちは、「居るだけでマイナス効果を周囲に与える人」になる。この属性の人は、自己中心的な考えがつよく、何でも批判的視野で見てしまう傾向がある。遅刻や欠勤が多い、指示されても行動しない、口だけ番長、人の悪口を周囲に言いふらすなど、挙げれば枚挙にいとまがないくらいだ。会社や集団では悪目立ちしている人なんかがそうだ。

 

『人財型は自覚し自立している』➡リーダー型

『人材型は自覚はしているが、自立はまだだ』➡王道育成枠

『人在型は自覚が足りず、自立もしていない』➡変動育成枠

『人罪型は自覚がなく、自立もない』➡さてどうするかだ・・

 

生徒のみんなは、人財か人材を目指すようにしてほしいな。そうすれば、人生にもしもが起こっても食っていけるよ。これが【生存戦略】だ。

しかしだ、【人財型】でも有能過ぎて回りがついてこれない場合もあるし、有能がゆえに、上司から妬まれる場合もある、有能でも不遇を受けることもあるんだよ、世の中の不条理だな。

会社などで立場が上級だから、イコール人財型とは言えないぞ、仕事ができても人間性の残念な大人なんとゴマンと居るからな。

 

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