上司は
場の雰囲気製造機だよ

「あたしゃ~グロリアってんだよ。
この授業の講師をここの塾長から
押し付けられてるんだよ。
よくもまぁ~180歳の婆さんを
こき使うね~全く」

〔人材育成と人材教育の授業⑦〕
《偉くなるとねぇ~
会社の”雰囲気エアコン”に
なるのさ。
アンタのその日々の機嫌や
言動でその場の空気の寒暖が
決まるんだよ。

暑すぎず、寒すぎず、心地いい
空気がみんなのやる気を
出すんじゃないのかい?
よくお聞き!
それがアンタの仕事なんだよ》

 

人は過信・慢心・決めつけの3種の神器を持つ生き物なのさ、でもさ、それは平時だから言えることなんだよ。もしもだよ…
(例の場所その②へ続くよ)

〔第1話〕

生徒のアンタらも忙しいだろうからさ、
結論を先に言っちまうよ。

「上のモンがその日、その日で
機嫌が悪かったり、斜に構えてるとさ
周りが大迷惑なんだよ!
ガキじゃあるまいし、
自分のご機嫌もコントロールできない
んじゃ~、ヒラからやり直しな!」

アタイが言いたいのはコレさ。

これ、何でか、わかるかい?

人はさ、機嫌のいい時も悪い時も
もちろんあるさ。
アタシにもあるからねぇ~。
それ自体を咎める気はないさ。
人間だもの…

でもだよ、
下の子らが機嫌悪くてもだね、
周囲へ与える影響なんてほぼないさ、
逆に機嫌が悪く、周りに八つ当たりだの
無気力な仕事でもしようもんならさ、
”どやされる”ことだってあるかも
しれないだろうに。

だけどさ、
上のモンが機嫌悪いとだよ、
周りから”どやされる”ことなんて
ないだろうに。

むしろ、周りが忖度でもしてさ、
気を遣うんだよ。

そうなるとだね、
場の空気が悪くなるのさ。

だからだよ、
上のモンが機嫌が悪いとだね
周囲へ与える影響が大きいのさ。

上に行くモンはだね、
自分の仕事ができる、采配ができる
先が読めるという、
いわゆるだね、
【マネジメント能力の高さ】
を買われて登用されるんだろうけどさ
【人間性】【人間力】
もその中に含まれているのを
忘れちゃいけないのさ…

自分の言動の影響がどこまで伝播する
のかを理解しなきゃならないんだよ。

ここからが大事なのさ…よくお聞き、

「上のモンのやり方次第では、周囲の
雰囲気を変えることだってできるって
ことさ」
悪い空気を流して雰囲気を悪くもできる
がね、

逆を言えば、
よい空気を流して雰囲気を良くもできる
って事さ。


不機嫌な仏頂面や周りを無視する、
机を叩いて大きな音を立てて威嚇する、
大声で怒鳴り散らす、
過去の出来事をグチグチ言う。
こんなしょーもない、ガキの駄々こねを
するよりも、

希望を言う、未来を言う、褒める
前向きな話をする、
みんなに声掛けをする

そんなことでさ
みんなのやる気スイッチを押した方が
どんだけいいかなんて、
ここで改めて言うことでも
ないだろうに…

冷静に考えて見な、
体の調子が悪くて病院に行った時に
お医者さんが不機嫌に対応するかい?
コンビニでレジをしてくれている店員
さんが不機嫌に対応するかい?
宅配便で荷物を運んでくれるドライバー
さんが不機嫌に対応するかい?

よく考えればさ、自分の機嫌の悪さを
周囲へ見せているなんて、トンでもなく
恥ずかしい事なんだよ。

第2話へ

 

念のために言っておくけどさ、アタシだって若い時は合ったんだよ。これ100年前だけどさ
(例の場所その②はこの先だよ)

〔第2話〕

こんな状況を放っておくとだねぇ、
機嫌で動く人間の
悪い印象だけが目立ってしまうのさ。

「人はだよ、10の内、9の良い所が
あってもだよ、たったひとつの悪い所が
ひどい場合はだねぇ~、
9の良い所を打ち消すぐらい、
悪いことの方が目立つのさ」

よく言うだろう
【悪名は無名に勝る】ってやつさ。

 

例えばだよ、
第1話の上の人間の機嫌で周囲の状況が
良くも悪くもなるって話の場合はさ、
こんな図式じゃないかい?

①【あの人は機嫌がよい時はいいが、
機嫌が悪くなると、場の空気も悪くなる】

②【機嫌の悪い時は自分も不快になるし
その状況は避けたい】

③【ならば、機嫌が悪くならないように
立ち回ることに気を遣う】

④【機嫌の悪くなることはなるべく耳に
入らないようにしよう、または機嫌が
悪い時は近づかないようにしよう】


だからだよ、
周囲は機嫌を損ねないように
忖度するのさ。

忖度をする結果どうなるかわかるかい?

まずだね、
本当のことを言わなくなるね。

次にどうなるかはもうわかるだろうに
そうさ、
隠すかウソをつくのさ。
まぁ~たまにゴマをするかねぇ~


こうなると、会社の中には心理的安全
場所がなくなるからねぇ~。
機嫌で場の空気を悪くする
裸の王様以外の
心理的ストレスは半端じゃないね、

それを作ったのは結局さ、
上の人になるんだろうに。

これはだよ、
自分で自分の首を絞めることになって
るのさ。
事が重大になってから気づくなんて
状況の土台を耕しているのさ。

気づいたときにはもう手遅れなんて事
にならないように気を付けるんだね。

よくさ~、有名企業の不祥事なんかで
聞くだろうに、
社内に意見を言える雰囲気が無かった
社内の風通しが悪かった
なんてねぇ。

これを作り出したのは、そこに居る
みんなだけれども、その環境の成長を
促進させたのは、
一部の上の人間なんだよ。

第3話へ

(ここが例の場所その②さ)
嫌いなヤツでも、自分の命を
救ってくれれば、見方も変わる
だろうに。真実は平時じゃないんだよ
相手の本質はピンチの時にわかるのさ。だからさ、平時の思い込みほど
あてにならないものはないよ…

〔第3話〕

でもね、
こんなことを起こさせない方法も
あるのさ。

なぁ~に、簡単な事なんだよ。
「よく、人と話をすることさ」
他愛もないことでもいいしさ、
あいさつだけでもいいのさ、
いわゆる双方向の声掛けだわさ。

これを世の中では
「コミュニケーション」って
呼ぶんだろうに。

でもねぇ~
逆の効果もあるんだよねぇ~、
「コミュニケーション」は、
使い方次第では悪い結果も
出ちまうのさ。

「人と話をする」にしても、
言い方ってのがあるじゃないかい、
無粋な言い方やトゲのある言い方
キツイ言い方なんてしてりゃ~さ、
コミュニケーションもあったもんじゃ
ないよ。

怒鳴ってばかり
人の悪口ばかり
批判ばかり
否定ばかり
これじゃ、せっかくの人との距離感を
近づける目的がだよ、
人との距離を
遠ざけることになるだろうに、
全く、何やってんだい!

逆に「人と話さない」状況でもだよ、

無視する、
機嫌の悪い表情
(睨む、しかめっ面なんかだろうね~)
機嫌の悪い動作
(モノを叩くや放り投げるなんかの
動作だよ)

もう子供だよ。スネ夫だ、スネ夫。



結局はさ、人が集まる所ってのはだね
【人間関係】を良くするか、
【人間関係】を悪くするか、

が決めるってことさ。

そういう観点で言えば、
会社や組織での上位者の行動ってのは
周りに大きく影響を与えることを
知らないといけないねぇ~

まぁ、これを逆手に取ってだね、わざと
威張り散らす。
不機嫌で八つ当たりする。
恐怖を与える。
なんてする子もいるがね、

その結果、周りが委縮したり、
相手にしなかったりしてさ、
キレられるから言わない・隠すなんて
ことが起こるんだい。

それは、アンタが蒔いた種ってことは
忘れちゃいけないよ。

相手の所為ではなく、アンタの所為さ。
偉くなるってのは、そういうとこの
責任もついてまわるのさ。

ここの授業のまとめだよ
①上位者の機嫌が周囲へ影響を与える
②自分の機嫌を仕事に持ち込まない。
③周囲への声掛けは有効な励まし。
④褒める・希望を言う・前向きな事
は人にやる気を出させるスイッチ。

こんな感じかねぇ~


終わり

 

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