【5限目】発達障害を理解しよう

発達障害の種類・・・ADHD型

↑ 遅かれ、早かれ、全員一緒だ

発達障害は、様々な苦手なことで、後れを取ることがあるのですが、大きく分けて3つの種類に分別できるのです。

これを知っておくと、「どういう苦手」が「どんな発達障害に当てはまるのか」がわかるようになり、自分の弱点の客観的分析やそこから見つける攻略法、また、周囲の人が気を付けることなどが見えてきます。

 

●発達障害の状態別見分け方法(本人にも周囲の人にも受ける状態)

【系統1】ADHD(注意欠如)(多動性障害)

(主な状態①)ケアレスミス(=ポカミス)が多くて困っている。

(主な状態②)集中力が続かないことが多くて困っている。

 

【系統2】LD(学習障害)

(主な状態①)国語系や算数系が苦手で困っている。

(主な状態②)体育系が苦手で困っている。

 

【系統3】自閉症スペクトラム

(主な状態①)人とトラブルになりやすくて困っている。

(主な状態②)物事の強いこだわりが多くて困っている。

 

以上の3つに大別できます。

次項からは、それぞれの状態別に深堀し、理解を深めていきましょう。

 

【系統1】ADHD(注意欠如)と(多動性)と(衝動性)

ADHDのポイントをわかりやすく言うと、”集中できないこと” と ”整理できないこと” が核になって弱点を形成しています。

●具体的な事例を挙げて見ていきましょう

①(注意欠如型=不注意型)ポカミスが多く、繰り返ししてしまう

→仕事で簡単なミスが多くて、さらに、”繰り返して”起こしてしまうことがある

②(注意欠如型)整理することが苦手(=物を無くしてしまう、片付けができない)

→仕事で書類を無くしてしまい失敗することがあり、複数回”起こしてしまうことがある

→仕事で計画を上手く立てられず、途中で頓挫することが”多い”

③(多動性型)集中することが苦手

→会議などで、集中することができないことが”多く”、他のことをしてしまい、会議の内容がわからない

→仕事の資料作成などで、長時間続けてできないことが”多い”

→人と話をしていても、近くに人が通ったり、何かが起こると、そこに気が行ってしまうことが”多い”

④(衝動性型)待つことが苦手・突発的にしてしまう

→順番待ちができないことが”多い”

→おしゃべりが”多く”なる

自分で診断 ADHDのセルフチェックシート

下記に記載している項目は、自分でできる【ADHD】のチェック項目です。

チェックする前の重要な注意事項があります。

(重大注意事項①)あくまでも傾向を見るための項目です。例えば、「何番に当てはまる場合」や「何項目に当てはまる」とADHDであると断定できることではありません。

(重大注意事項②)該当することがあっても「そのことが継続されている回数や期間」が判定のポイントになります。期間なら「少なくとも1年以上である(子供のころからずっとなど)」且つ、「その期間中に同じことを繰り返している」場合は有力と考えてもよいでしょう。

(重大注意事項③)たとえ、該当していても「基本生活に影響が出ていない(”生きづらさ” や ”やりにくさ” を感じていない)場合」は、苦手の影響が深刻な問題に直結していないので、そのままの自分で生きていくことが良いと思います。

(重大注意事項④)しかし、「自分は気にしていない」が「仕事や家庭で周囲の人が気にしている場合」は周囲の人の気遣いやフォローで保っているケースも考えられているので、なかなかこういうことを自分から確認することは難しいですが、一度、勇気を出して聞いてみるのも良いと思います

(重大注意事項⑤)この項目または公開されている項目を会社や学校で自己判定させる行為は人権侵害に当たります。特に企業の管理者以上クラスの人は取り扱い注意が必要です。(この背景は、発達障害は”病気”ではないという根幹があります)

(重大注意事項⑥)確定診断は ”専門医が行うものです” 気になる方は、専門医を受診することが最善策になります

ADHD(注意欠如型)

  • 1
    簡単なミスを繰り返ししまうことが、重大な失敗に結びついてしまうことがよくある
    (確認ミス・手順ミス・伝達ミスなど)
  • 2
    整理整頓ができないため、物を無くすことや探すことが多く、このことが仕事や日常に影響を与えている(会議資料や取引先資料を紛失したり、間に合わなかったりすることがある・机の上が書類で山積みで何があるかわからなくなっている)
  • 3
    仕事や物事を順序立ててできないため、上手くいかないことが多い
    (どこまでやったかわからなくなったり、一からやり直す羽目になり、人より時間が掛かってしまう。仕事が遅いなど言われてしまう)
  • 4
    注意力が続かず散漫になってしまうことがよくある
    (一つのことをしていても他のことが気になり、途中でやめてしまい、最後まで完遂できない仕事や物事が多くある)
  • 5
    時間の管理が苦手で、遅刻や早く行き過ぎるなどが多い
    (会議や授業、始業に遅刻したり、早く行き過ぎる、締め切りや期日に間に合わないことが多い)
  • 約束事や責任を最後まで果たせないことがある
    (支払い期限の忘れや人との約束の忘れ,電話の返答の忘れなどをしてしまう
  • 文章作成など長時間持続の必要な物事が苦手
    (報告書の作成やレポート、作文などの作成をすると、このこと自体に強い拒絶感が起こり、且つ誤字や脱字などの見直しも疎かになる)
  • 人から話しかけられても、聞いてないように感じられてしまう
    (聞いてるのか?などよく言われてしまう)

ADHD(多動性型)及び(衝動性型)

  • 1
    席に着くように言われても、つい、席を離れてしまうことがある
    (会議中や授業中、面談などの場面で)
  • 2
    じっとしていることが我慢できない
    (着席していても、手や足を動かしたり、机の上をトントン叩くことが多い)
  • 3
    やってはいけないところで、やってはいけないことをしてしまうことがある
    (神妙な場面で走りまわったり、歩き回ったりしてしまう)
  • 4
    しゃべりすぎることが多い
    (一方的に話してしまう、おしゃべりで気づいたらかなりの時間が経過していることが多い)
  • 5
    相手が話していても、話が終わる前に話してしまう
    (相手が説明しているのに、途中で遮ってしゃべってしまう、質問を最後まで聞かずに話し出す。しかし、これは遮る側は気づかないことがある)
  • 順番を待つことが苦手
    (列に並ぶことが我慢できない、時間を待つことが我慢できない)
  • 人の邪魔をしてしまう(が、邪魔をしていると思っていない)
    (人のものを勝手に使うことがある、人と話しているときに割り込んでしまうことがある=会議中や打ち合わせ中など、人の仕事や物事を横取してしまうことがある、人のしていることに口出ししてしまうことがある)

仕事塾 コンテンツ