立場が人を変えて
しまう恐怖

「あたしゃ~グロリアってんだよ。
この授業の先生さ。
180年生きてるからねぇ~
吸いも甘いもアンタらよりは
知っているよ」

〔人材育成と人材教育の授業③〕
《人間はだね、本当の自分を
見失うくらい立場に影響される
生き物なのさ。
…本当はだよ、立場が高いから
偉いんじゃなくて、
人間ができているから偉い立場に
なるんだよ。
最近は逆のパターンが多いね~、
ったく困ったもんだよ。
立場という怪物に飲まれる人
は弱いのさ。
弱いから立場を利用するしか
無いんだよ。
人間性で勝負できるほど自分に
自身が無いんじゃ仕方ないがね~》

「人を操れる立場になると
神様にでもなったように
錯覚しちまうのさ。
でもそれは神様なんかじゃないよ
悪魔だよ」

生徒のみんなは、こんな実験の話を
を知っているかい?

それは『スタンフォード監獄実験』
という実験の話なんだよ。

何でこの話を持ち出したか?
というとだね。

「立場が人を変える」ということ
を知って欲しいからさ。

以前は謙虚な人も、
以前は優しかった人も、
以前は人の話を聴いていた人もさ
立場が変わると豹変すること
があるのさ。

 

この実験はだね、
普通の大学生を
”囚人役”と”看守役”に分けて、
それぞれの役割を演じさせると
どうなるのか?
とういう心理学の実験なんだよ。

 

結果をいっちまうけどさ。
『看守役の学生が囚人役の学生へ
横暴な態度をとるように変貌して
しまってさ、本当の監獄のように
囚人役の学生へひどい
扱いを
してしまう』
いうことが分かったらしいのさ。


詳細に興味があるなら自分で一度
調べてみなさ。
(キーワードは ”監獄実験” 
や ”ジンバルドー”で出てくるわさ)

この実験のように、
最初は同じ立場だったのに
立場を変えると人が変わることが
普通の日常でも起こってしまうのさ。

 

特に会社や学校で、
人に教える側の人、指導者や先輩や
上司・役職者に顕著に現れるんだよ。

まぁ当然と言えば当然の事さ、
人を使う立場になればさ~
その人を自由に使えると勘違い
してしまう輩も出てくるわさ。

そんなことの結果が、
パワハラだ。
モラハラだ。
って社会問題になるんだろうよ。

この ”監獄実験” のように
後輩や部下の人たちを
『囚人やモノ・コマ』のように
見えてしまう人が少なからず
一定数存在することは事実なんだよ。
そういった一定数の人が、
行き過ぎたことを行い
(本人は指導と思い込んでいる
だろうけどさ・・・)
〈パワハラ〉や
〈セクハラ〉や
〈モラハラ〉を結果的に
行ってしまうのさ。

 

『人に教えるということ』と
「偉そうにしてよいこと」と
勘違い
しちゃダメなんだよ。

 

教わる側の人は大抵の人が
”立場の弱い”人になるんだからさ。
それが新卒者でも、
中年、壮年、高齢の方でもだよ。
その人たちは
「言うことを聞くしかない」立場
なんだよ。そういう事情なんだよ。

 

それを逆手にとってだよ、
上司だ、先輩だ、課長だ、部長だ、
社長だ、などと社会的優位な立場を
利用してさ、
相手が反論できないことをわかってさ、
自分の考えを押し付けるなんて
言語同断だよ。まったく。
恥を知りな!

これを世間では弱いモノいじめって
いうんだよ。
生徒のアンタたちならわかって
くれるんじゃないかい?

 

ここを読んでくれている
生徒のアンタたちは、
立場で態度を変えるような
薄い人間になっちゃいけないよ。

それはワナだよ。
試されているんだよ。
アンタたちが人としての生き方を
忘れないかをさ。

人間性クイズなのさ、これは。

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